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yamachanのメモ

日々の雑感や文献のメモ等

抵抗の精神について

小泉信三『平生の心がけ』を読んでいて、興味深い箇所を発見。 平生の心がけ (講談社学術文庫) 作者: 小泉信三 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 1988/11/07 メディア: 文庫 クリック: 6回 この商品を含むブログ (7件) を見る 本当にその通りと思うところな…

10月と言えば…予算編成

10月になれば、おそらくそのうち予算編成方針の通知ががあって、予算要求作業が本格化する。それに向けて、昨年の予算要求時期には出版されていなかった、吉田博・小島卓弥『予算要求の実務-実践から新たな仕組みづくりまで』を読んだ。 自治体 予算要求の…

再帰化する社会でデモクラシーを擁護すること

宇野重規・田村哲樹・山崎望『デモクラシーの擁護-再帰化する現代社会で』の「共同綱領-デモクラシーの擁護に向けて」を読んだ。 デモクラシーの擁護 ―再帰化する現代社会で― 作者: 宇野重規,田村哲樹,山崎望 出版社/メーカー: ナカニシヤ出版 発売日: 201…

民主主義と偶有性

大澤真幸『現実の向こう』の第1章の中にある「民主主義はどういう政治制度か」の箇所をメモ。 大澤は民主主義の特徴を「どのような敵対関係をも-変形させた上で-受け容れるところ」にあると指摘し、その例としてエルネスト・ラクラウとシャンタル・ムフの…

脱構築と政治的実践、そして否定神学的共同体

東浩紀『存在論的、郵便的』を再読したところ、今の自分にとって大変興味深い箇所があったのでメモ。 存在論的、郵便的―ジャック・デリダについて 作者: 東浩紀 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1998/10 メディア: 単行本 購入: 17人 クリック: 173回 この…

湯浅誠「社会運動の立ち位置」を読む

久しぶりに、湯浅誠「社会運動の立ち位置-議会制民主主義の危機において」(『世界2012.3月号』所収』を読んだ。本論文は、社会運動論としてだけではなく、「政治」そのものを考える上でも非常に重要。今回再読して注目したのが「固定化」「瞬間」という概…

丸山眞男「政治嫌悪・無関心と独裁政治」を読む

昨日に引き続き、丸山眞男を読む。今日は「政治嫌悪・無関心と独裁政治」。 第一巻 1933―1949 (丸山眞男集 別集) 作者: 東京女子大学丸山眞男文庫 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2014/12/26 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (3件) を見る 本論考…

丸山眞男「民主主義政治と制度」を読む

民主主義について整理するために、丸山眞男「民主主義政治と制度」(『丸山眞男集別集第一巻』所収)を読んだ。 第一巻 1933―1949 (丸山眞男集 別集) 作者: 東京女子大学丸山眞男文庫 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2014/12/26 メディア: 単行本 この商…

「果たし得ていない約束」に対する責任

三島由紀夫『文化防衛論』を読んだ。 文化防衛論 (ちくま文庫) 作者: 三島由紀夫 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2006/11 メディア: 文庫 購入: 3人 クリック: 15回 この商品を含むブログ (31件) を見る 本書には、「果たし得ていない約束-私の中の二十…

政治学者という存在について

僕は、学部生の時は社会学専攻だったけど、政治学の講義も結構受講したし、政治学関連の本も大量に購入し、大量に読んでいる。それくらい政治学という学問が好きだ。 だからこそ、権丈善一氏が『年金、民主主義、経済学-再分配政策の政治経済学Ⅶ』で次のよ…

隠れた真実への探求ー『ゼロ・トゥ・ワン』を読む

仕事でもやもやしたことがあった時は、ビジネス書を読む。今日読んだのは、昔購入していた、ピーター・ティール『ゼロ・トゥ・ワンー君はゼロから何を生み出せるか』。 ゼロ・トゥ・ワン―君はゼロから何を生み出せるか 作者: ピーター・ティール,ブレイク・…

人文知・人文学(の危機)について

『週刊読書人』の2015年12月18日号と2016年1月1日号で、人文知・人文学(の危機)について言及されていたのでメモ。 まず、2015年12月18日号、宮台真司・苅部直・渡辺靖鼎談「政治・社会・人文科学を振り返る」からの抜粋。 宮台 …ハーバーマスが… 『人間の…

夫婦別姓の婚姻届が出されたら

夫婦同姓の合憲判決があった今こそ読み返したい本の一冊が、松村亨『夫婦別姓の婚姻届が出されたら』だ。 夫婦別姓の婚姻届が出されたら (自治体職員のための政策法務入門 2 市民課の巻) 作者: 松村享,出石稔 出版社/メーカー: 第一法規株式会社 発売日: 200…

人は失敗から物事を学ぶ

僕はどちらかというと、行動するタイプの人間ではなく、考えるタイプの人間。渡邊二郎氏の言葉を借りるならば、「打てば響くような臨機応変の利発な人」ではなく、「ものごとの意味を<深く>考え、受け止め直し、熟慮と反芻を繰り返して、事柄の本質を咀嚼…

これからの都市計画には「知」が必要

都市計画について考えることがあり、『白熱講義 これからの日本に都市計画は必要ですか』を読んだ。 白熱講義 これからの日本に都市計画は必要ですか 作者: 蓑原敬,藤村龍至,饗庭伸,姥浦道生,中島直人,野澤千絵,日埜直彦,村上暁信 出版社/メーカー: 学芸出版…

知は希望のなさに耐える勇気

『群像 2016.1』の特集「21世紀の暫定名著:一般読書篇」で、大澤真幸氏は次のように語っている。 あるインタビューでアガンベンが、知というのは希望のなさに耐える勇気なんだ、と語っています。僕らは論文を書く際、最後にちょっといいことを付け足したく…

危機が危機としてあるところには、救いとなるものはすでにある

ハイデガーは、1949年ブレーメン連続講演「有るといえるものへの観入」でも、ヘルダーリンの「パトモス」を取り上げている。 ブレーメン講演とフライブルク講演 (ハイデッガー全集) 作者: ハイデッガー,Martin Heidegger,Hartmut Buchner,ハルトムートブフナ…

しかし、危険のあるところ、救うものもまた育つ

いつか真面目に読もうと思って購入しているハイデガーの著作をパラパラするときがある。今日は、崩れた本の山から出てきた『技術への問い』を手にした。 技術への問い (平凡社ライブラリー) 作者: マルティンハイデッガー,Martin Heidegger,関口浩 出版社/メ…

読書メモ:ヘーゲルとフッサール

村井則夫『解体と遡行-ハイデガーと形而上学の歴史』の「第五章 媒介の論理とその彼方-ハイデガーのヘーゲル『精神現象学』解釈をめぐって」を読み始めると、フッサール(が打ち建てた現象学)と、ヘーゲル(に代表される思弁的・形而上学的体系)との関係…

読書メモ:ヘーゲルとルーマンについて

ヘーゲル『精神現象学』を読んでいると、なぜかルーマンのことを考えてしまう。一方で、ルーマンは「とりわけカントに興味を持っていましたが、ヘーゲルとマルクスにはほとんど関心がありませんでしたね」とも語っている(『ルーマン、学問と自身を語る』141…

ヘーゲルとフッサールについてのメモ

『ハイデッガー全集 第32巻 ヘーゲル『精神現象学』』を読んでいると、ヘーゲルとフッサールの差異に関する言及があったのでメモ。 ヘーゲル『精神現象学』 (ハイデッガー全集 第32巻) 作者: マルティン・ハイデッガー,藤田正勝,アルフレド・グッツオーニ 出…

明晰な思考に従事すること

フィヒテの『ドイツ国民に告ぐ』関連の話題をもう一つ。 フィヒテ全集 第17巻 ドイツ国民に告ぐ・政治論集 作者: ヨーハン・ゴトリーブ・フィヒテ,ラインハルト・ラウト,早瀬明 出版社/メーカー: 晢書房 発売日: 2014/11 メディア: 単行本 この商品を含むブ…

フィヒテから学ぶ学問に対する誠実さ

学者が、最近の政治状況を批判している様子を見て思い出すのが、フィヒテの『ドイツ国民に告ぐ』である。 フィヒテ全集 第17巻 ドイツ国民に告ぐ・政治論集 作者: ヨーハン・ゴトリーブ・フィヒテ,ラインハルト・ラウト,早瀬明 出版社/メーカー: 晢書房 発売…

『メディアと自民党』から「政治」を学ぶ

西田亮介『メディアと自民党』を読んだ。一言で感想を言えば、これまで-現代-これからの政治を考える上で重要だし、分析としても素晴らしい本だから、是非多くの方に読んでほしい。 メディアと自民党 (角川新書) 作者: 西田亮介 出版社/メーカー: KADOKAWA…

『<日本哲学>入門講義』を読む

仲正昌樹『<日本哲学>入門講義-西田幾多郎と和辻哲郎』を読んだ。本書自体が分厚いし、西田幾多郎『善の研究』と、和辻哲郎『人間の学としての倫理学』を手元に読んだこともあって、少し時間がかかってしまった。 〈日本哲学〉入門講義 作者: 仲正昌樹 出…

「ヘーゲルの経験概念」を読む⑤

『精神現象学』の「緒論」第5段落は短い。でも、本段落には、「現象する知」「自然的意識の道」「魂」「経験」「精神」等の概念が出てくる非常に重要な段落。ハイデガーは次のように説明する。 現れ出る知を展示することとは、自然的な意識が学に至る道程の…

『正義について考えよう』を読む

猪瀬直樹・東浩紀『正義について考えよう』を読んだ。 正義について考えよう (扶桑社新書) 作者: 猪瀬直樹,東浩紀 出版社/メーカー: 扶桑社 発売日: 2015/11/01 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 安保法制や新国立競技場問題等の個別テーマについ…

『最前線のリーダーシップ』から学ぶ

数年前から気になっていたけど読まずにいた、ロナルド・A・ハイフェッツ/マーティ・リンスキー『最前線のリーダーシップ』をついに読んだ。 最前線のリーダーシップ 作者: マーティ・リンスキー,ロナルド・A・ハイフェッツ,竹中平蔵 出版社/メーカー: ファ…

小西砂千夫の本を読む日曜日

小西砂千夫氏を知ることになったのは、働き始めたときに、父親から「この本は読んでおいた方がいい」と、『地方財政改革の政治経済学』を勧められたことがきっかけである。 地方財政改革の政治経済学―相互扶助の精神を生かした制度設計 作者: 小西砂千夫 出…

哲学は無益だが統治する知

ハイデガー「ヘーゲルの経験概念」を読んでいて、「知」「学」「哲学」といったものについてあらためて考えるようになった。そんな時に、ふと『ハイデッガー全集第45巻 哲学の根本的問い-「論理学」精選「諸問題」』を手にした。 哲学の根本的問い 「論理学…

ハイデガー「ヘーゲルの経験概念」を読む④

最近はいろいろと忙しくて、ゆっくりと読書をする時間がなかった。特に、『精神現象学』「緒論」の四段落は重要な箇所でであるため、「ヘーゲルの経験概念」の当該箇所も、じっくりと読まなくては、と思っていたら、メモがすっかりと遅くなってしまった。 さ…

佐々木常夫『ビッグツリー』から学ぶ「仕事の進め方10か条」

仕事や人生で苦難に直面した時に読む本の一冊に、佐々木常夫『ビッグツリー』がある。 完全版 ビッグツリー~自閉症の子、うつ病の妻を守り抜いて~ 作者: 佐々木常夫 出版社/メーカー: WAVE出版 発売日: 2012/01/24 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 11…

山口周の著作は面白い

今日読んだのは、山口周『外資系コンサルが教える 読書を仕事につなげる技術』。 外資系コンサルが教える 読書を仕事につなげる技術 作者: 山口周 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2015/10/17 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 以前、同著者…

ハイデガー「ヘーゲルの経験概念」を読む③

ハイデガーは、「絶対的なもののみが真である。真なるもののみが絶対的である」という命題は「基礎づけることが出来ない」と指摘する(157)。 それらの命題は基礎づけられ得ないものである。それらが定立しているのは、それ自身初めて根拠となるところのもの…

ハイデガー「ヘーゲルの経験概念」を読む②

今回は、ヘーゲル『精神現象学』「緒論」の第二段落を解説した箇所のメモ。第二段落は短く、理解していたつもりだったけど、「ヘーゲルの経験概念」の当該部分の解説は難しい。でも、ハイデガーが扱っているテーマ自体はとても興味深いので、読み進めていく…

SEALDs関連本の読書メモ

ずっと読もうと思っていたけど、なかなか読めずにいたSEALDs関連の本をようやく読むことができた。高橋源一郎 × SEALDs『民主主義ってなんだ?』と、SEALDs『SEALDs 民主主義ってこれだ!』の二冊だ。 民主主義ってなんだ? 作者: 高橋源一郎,SEALDs 出版社/…

ハイデガー「ヘーゲルの経験概念」を読む①

ある研究会でヘーゲル『精神現象学』を読むことになったので、最近ヘーゲル関連の著作を読むようにしている。そして、「緒論(Einleitung)」を読み終えたところで、平凡社ライブラリー版『精神現象学』の「緒論」の本文(112-113)や末尾(119)で紹介されて…

予算要求に向けて読書もう3冊

予算要求に向けて、職場に置いていた本を持って帰ってきてお勉強。仕事に費やす時間を少しでも勉強する時間に充てることで、結果的には時間を有効に使うことができる。だから、「忙しい」「職場以外で仕事のことを考えたくない」という理由で勉強する時間を…

予算要求に向けて読書3冊

自治体は予算要求の時期というわけで、家にある自治体予算や地方財政に関する本を読んでみた 自治体の予算要求 考え方・つくり方 作者: 吉田博,小島卓弥 出版社/メーカー: 学陽書房 発売日: 2009/11 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 9回 この商品を含…