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yamachanのメモ

日々の雑感や文献のメモ等

予算要求に向けて読書もう3冊

地方自治 読書

 予算要求に向けて、職場に置いていた本を持って帰ってきてお勉強。仕事に費やす時間を少しでも勉強する時間に充てることで、結果的には時間を有効に使うことができる。だから、「忙しい」「職場以外で仕事のことを考えたくない」という理由で勉強する時間を設けない人はもったいないなぁと思う。で、今回読み直した本は次の3冊。

自治体財務の12か月―仕事の流れをつかむ実務のポイント

自治体財務の12か月―仕事の流れをつかむ実務のポイント

 

  まずは、松木茂弘『自治体財務の12か月-仕事の流れをつかむ実務のポイント』を読むべし。財務に関する1年の流れを把握することができるだけではなく、仕事のやり方も学ぶことができる。また、著者の次の言葉は、全ての業務にも関係する重要な指摘だと思う。

最近の交付税算定業務を見ていると効率的な事務処理となっているものの、単に計算ドリルをしているようで、財政課職員が交付税そのものの内容や制度を理解する機会がスポイルされているような気がしてなりません。(37) 

  交付税算定業務に限らず、機械的な作業によりある業務の内容や制度を正確に理解できていないということは多々あるし、「制度を知らなくても誰もが処理できる」ということを、効率性という観点から評価する人もいる。確かに、事務の効率化も重要だけど、職員の専門性も重要であり、本書を読むとそのことがよくわかる。とりあえず、財務に直接携わらない職員も是非読んでほしい一冊。

 

2冊目は、定野司『自治体の財政担当になったら読む本』。

自治体の財政担当になったら読む本

自治体の財政担当になったら読む本

 

  出版されたばかりの本だけど、これも大変参考になる。

本書では財政課の仕事を中心に解説しますが、予算編成が財政課と各部局の調整作業の連続であるように、財政課の仕事の対極には必ず、各部局の財政担当の仕事があります。しがたって、財政課の仕事を知ることができれば、各部局の財政担当の仕事を知ることもできるのです。(10) 

  本書に限ったことではないが、このことは本当にその通り。また、財政課の仕事や財政の仕組みについて理解して仕事を進めることは、財政課の職員の負担軽減にもつながると思う。「そんなの財政課の職員に聞いたらいいんですよ」という態度は、財政課職員の仕事を増やすし、自分のためにもならない。「自治体全体の利益を考えて判断し、行動すべきです」(209)という著者の指摘は、財政担当だけではなく、全ての自治体職員に必要なエトスである。

 

最後の一冊は、久保谷俊幸『ゼロからわかる 自治体の予算査定』。

ゼロからわかる 自治体の予算査定

ゼロからわかる 自治体の予算査定

 

  本書も最近出版されたもので、この時期に出版されたことはありがたい。僕は査定される側の人間だけど、査定する側の人間の考えをあらかじめ知っておくことは、予算要求資料を作成するうえで役立つ。また、本書には「タイプ別予算査定」という項目があり、この箇所は特に勉強になる。

 あと、予算編成方針について説明しているところの次のような記述にはドキッとさせられる。

 事業課も 予算編成方針を無視して予算要求することはできません。しかし、残念ながら、予算編成方針の具体的な記載事項について、財政課以外の庁内の多くの職員はあまり知らないのが現実です。

 皆さんは、財政課に異動する以前、事業化に在籍していた頃、きちんと予算編成方針を見ていたでしょうか。(21)

  残念ながら、事業課で予算編成方針を読んでいる人をほとんど知らない。おそらく、それを読んでも読まなくても、予算要求の内容が変わらないからだ。でも、事業課の職員も、予算編成方針を読むべきだと僕は思う。予算編成方針は武器や防具になるからだ。本書では、「予算を切る」ときの理由として予算編成方針を持ち出しているが、査定を受ける側としては、予算を切られないためにこそ予算編成方針を片手に持っておくべきであろう。

 

 予算要求も含めて財政に関する仕事は確かに大変だけど、勉強しつつ業務をしていると面白いと思えるようになる…というのは言い過ぎだろうか。でも、本で学んだことを職員に説明したり、教えてあげたりすると、「なるほど!そういうことですか!」「こういう考え方があるんですね!」と、生き生きする人も結構いるから、意外と同じような思いを持っている人は多いのかもしれない。そして、そういう人たちと一緒に仕事ができることは、とても幸せなことだと思う今日この頃である。