yamachanのメモ

日々の雑感や文献のメモ等

お買いもの『社会システムの生成』外

今日は梅田をブラブラ。発売当初より気になっていた、大澤真幸『社会システムの生成』と、昨年出版された本だが、村井則夫『解体と遡行-ハイデガー形而上学の歴史』を購入。

社会システムの生成

社会システムの生成

 
解体と遡行―ハイデガーと形而上学の歴史

解体と遡行―ハイデガーと形而上学の歴史

 

 『社会システムの生成』に関して、学生時代に必死にコピーして、必死に読んだ大澤真幸氏の論文を書籍で読めるのは嬉しい。『システムの社会理論-宮台真司 初期思考集成』が出版されたときも同じ気持ちだった。

システムの社会理論―宮台真司初期思考集成

システムの社会理論―宮台真司初期思考集成

 

『ソシオロゴス』に掲載されていた「小室ゼミナール」や「言語研究会」の紹介内容を読ん(だだけ)で、圧倒され、影響を受けて、いろいろと勉強していたことがなつかしい。そもそも、この二人の社会学に出会ったのは、橋爪大三郎氏の著作を通じてであった。橋爪氏の社会学に出会って興奮した僕は、貧乏生活をしていたにも関わらず、『橋爪大三郎コレクション Ⅰ~Ⅲ』を大人買いした。たぶん、大学一年か二年の時だったと思う。その時に読んだ次の文章から、物事を考える際の「忍耐」の重要性を学んだ。

 本書に収めた原稿を書いた時期を含む、七〇年代の半ば以降八〇年代の終わりまで、私は完全な夜型で、深夜から明け方にかけて執筆するのを常としていた。

わたしの経験を踏まえて言うと、読むことと書くこととは、ベクトルが反対のことのようである。書物からいろいろな学説を学び、知識を吸収しているあいだ、思うようなものは書けない。むしろそれをやめて、虚空と向き合い、自分の内側から何かが生まれてくるのではないかと耳をすませる。忍耐の時間が流れる。そのはてに、運がよければ、アイデアの水脈に突き当たるかもしれないのだ。そういう集中と持続の間を確保するのに、夜中起きているのは都合がよかった。本書に収めた論文はみな、そうしてうまれた草稿である。(『橋爪大三郎コレクション Ⅲ 制度論』315)

これを読んで以降、僕も夜型人間となり、必死に勉強し、必死に物事を考えた。しかも、昼間はラグビーやバイトをしていたということもあって、このとき身につけたことで、今でも活かされているのは「体力」(のみ)という話…。

とりあえず、また読むのが楽しみな本が増えた…と思っていたら、『解体と遡行』で、V・ナボコフ『ヨーロッパ文学講義』から、次の言葉が引用されていた。

まことに奇妙なことだが、ひとは書物を読むことはできない。ただ再読することができるだけだ。良き読者、一流の読者、積極的で創造的な読者は再読者なのである。 

というわけで、再読するのが楽しみ!!