yamachanのメモ

日々の雑感や文献のメモ等

荒野塾

『現代思想 総特集:人類学のゆくえ』3月臨時増刊号 2016 VOL.44-5

・久保明教「方法論的独他論の現在-否定形の関係論にむけて」 デカルト以来の西洋哲学の本流において、他者が何を言おうとも確かに存在する自らの思惟をあらゆる学問の基礎とする「方法論的独我論」が採られてきたとするならば、人類学的思考の基調にあるの…

春日直樹「人類学の静かな革命-いわゆる存在論的転換」(春日直樹編『現実批判の人類学』所収)

ストラザーンとラトゥールをつうじて「静かな革命」がいかにポストモダン人類学の問題提起を乗り越えるのかをみるとき、二人が期せずして同時期に導入した革新的な議論を注視せざるをえない。人間と主体に対する徹底して関係論的な認識である。「徹底して」…

リチャード・ローティ「トロツキーと野生の蘭」(『リベラル・ユートピアという希望』所収)

わたしが一二歳の頃、両親の書棚でひときわ目立っていたのは、『レオン・トロツキー裁判』と『無罪』と題された赤い装丁の二巻本であった。…この本は、救済の真理と道徳的な卓越性の光を放つ本であった。… 私は長ずるにつれて、まともな人なら誰もが、トロツ…

反啓蒙思想について(宮台真司 荒野塾『社会学原論』メモ)

宮台真司×野田智義『経営リーダーのための社会システム論』 〇啓蒙思想(17~18世紀):社会は人間がつくるものであり、理性的な人間が自由意志で契約を結べば合理的な社会が実現する。 →フランス革命(1789年)の失敗:革命から混乱、自由社会から独裁体制 …

高度消費社会について(宮台真司 荒野塾『社会学原論』メモ)

宮台真司『制服少女たちの選択』 消費社会-それはモノの消費がフィクションの消費をともないはじめる社会ということである。たとえば、この商品を買えば「階級差を見せびらかせる」というフィクション。これは初期の消費社会にはどこでもあるので、日本でも…

人格5類型について(宮台真司 荒野塾『社会学原論』メモ)

宮台真司『システムの社会理論』 このモデルは「期待外れのにどう対処するか」のタイポロジーです。例えば、万事につけ期待水準を低めに設定することで期待外れの衝撃を回避する戦略をとるのが「頭のいいニヒリスト」です。逆に、万事につけ期待水準を高めに…

目的プログラム/条件プログラムについて-小室直樹から学ぶべきもの(宮台真司 荒野塾メモ)

宮台真司 荒野塾・特別編で示された普遍的な二つの構え、 ・主意主義/主知主義 ・ギリシャ的(イエス的)/エジプト的(セム族的) ・目的プログラム(価値合理性)/条件プログラム(if-then)(目的合理性) ・神感染的/神強制的 ・万物学/メタ万物学 …