yamachanのメモ

日々の雑感や文献のメモ等

研究会

反啓蒙思想について(宮台真司 荒野塾『社会学原論』メモ)

宮台真司×野田智義『経営リーダーのための社会システム論』 〇啓蒙思想(17~18世紀):社会は人間がつくるものであり、理性的な人間が自由意志で契約を結べば合理的な社会が実現する。 →フランス革命(1789年)の失敗:革命から混乱、自由社会から独裁体制 …

高度消費社会について(宮台真司 荒野塾『社会学原論』メモ)

宮台真司『制服少女たちの選択』 消費社会-それはモノの消費がフィクションの消費をともないはじめる社会ということである。たとえば、この商品を買えば「階級差を見せびらかせる」というフィクション。これは初期の消費社会にはどこでもあるので、日本でも…

人格5類型について(宮台真司 荒野塾『社会学原論』メモ)

宮台真司『システムの社会理論』 このモデルは「期待外れのにどう対処するか」のタイポロジーです。例えば、万事につけ期待水準を低めに設定することで期待外れの衝撃を回避する戦略をとるのが「頭のいいニヒリスト」です。逆に、万事につけ期待水準を高めに…

目的プログラム/条件プログラムについて-ニクラス・ルーマンの文献メモ(宮台真司 荒野塾メモ)

福井康太『法理論のルーマン』 条件プログラムとは、「Wenn/Dann」(もし~ならば……もたさられるべし)という図式にしたがって、一定の原因を、一定の効果の発動要因(条件)として確定するプログラムのことを言う。…法システムは、条件プログラムという定式…

目的プログラム/条件プログラムについて-小室直樹から学ぶべきもの(宮台真司 荒野塾メモ)

宮台真司 荒野塾・特別編で示された普遍的な二つの構え、 ・主意主義/主知主義 ・ギリシャ的(イエス的)/エジプト的(セム族的) ・目的プログラム(価値合理性)/条件プログラム(if-then)(目的合理性) ・神感染的/神強制的 ・万物学/メタ万物学 …

ショーペンハウアーの「意志」概念について

鳥越覚生『佇む傍観者の哲学―ショーペンハウアー救済論における無関心の研究―』合評会に参加。 全体討論で話題になった「意志」概念についてメモ。 ショーペンハウアー『意志と表象としての世界Ⅱ』 意志は、純粋にそれ自体として見れば、認識を欠いていて、…

カント『永遠平和のために』読書会メモ

ソーシャルディア主催の読書会に参加。以下、議論になったことも含め、今後の勉強用にメモ。 ・カントの軍事思想について A=兵役は職業軍人が中心的に担うが(常備軍制)、国民全体の義務でもある(徴兵制)。B=兵役は職業軍人が担うものであり(常備軍制)…

ヘーゲルの「孔」について

ヘーゲル『精神現象学』で「有孔態」という概念が出てきた(平凡社ライブラリー版165)。樫山欽四郎訳では、「素材のどれにもこれにも孔があって相互に浸透しうること。『論理学』の一の一二一」(同)という訳者による補足もある。この概念は、ヘーゲル独自…

読書会メモとお買いもの

今日は、牧野雅彦『精読アレント『全体主義の起源』』の読書会に参加。 精読 アレント『全体主義の起源』 (講談社選書メチエ) 作者: 牧野雅彦 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2015/08/11 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (3件) を…

ヘーゲルとフッサールについてのメモ

『ハイデッガー全集 第32巻 ヘーゲル『精神現象学』』を読んでいると、ヘーゲルとフッサールの差異に関する言及があったのでメモ。 ヘーゲル『精神現象学』 (ハイデッガー全集 第32巻) 作者: マルティン・ハイデッガー,藤田正勝,アルフレド・グッツオーニ 出…

ヘーゲル研究会メモ

参加させていただいている、ヘーゲル『精神現象学』を読む研究会で議論になって気になったことをメモ。 ①aufhebenについて 『精神現象学 上』の51ページに、「廃棄〔止揚、以下頻出する廃棄の場合も同様〕」という記述があり、aufhebenの意味や解釈について…