yamachanのメモ

日々の雑感や文献のメモ等

2018-01-01から1年間の記事一覧

今年の〇〇冊(カール・マルクス)

2018年はカール・マルクス生誕200年の年であり、それにあわせて多くのマルクス本が出版された。僕が手にしたものでお気に入りのマルクス本は次の4冊。 ①百木漠『アーレントのマルクス』 アーレントのマルクス: 労働と全体主義 作者: 百木漠 出版社/メーカー:…

今年の〇〇冊(政治と精神分析)

2018年は、政治学における精神分析の重要性を再認識した一年であった。特に注目すべきは次の三冊。 ①有賀誠『臨界点の政治学』 臨界点の政治学 作者: 有賀誠 出版社/メーカー: 晃洋書房 発売日: 2018/02/28 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 補…

ハイエク「知識人と社会主義」

ハイエクが語る「思想の力」は、これからの「リベラル」を考える上でも重要だと思うのでメモ。 実際、目下のところ、自由社会のさらなる発展のための哲学的基礎付けという不可欠な作業ほど報われないものは他にないだろう。この作業にとりくむ者は、既成秩序…

西部邁が語るジャック・デリダの脱構築

西部邁の本は数冊読んだことがあり、今いろいろと読み返しているところ。『虚無の構造』では、ガタリの欲望機械やデリダの脱構築についても言及している。今回は、デリダの脱構築について語っているところをメモ。 ここで、ジャック・デリダのいう「ディコン…

ハイエクの知的エリート主義について

ハイエクを読んでいく中で、やはり伝記のようなものを読みたいと思い、ラニー・エーベンシュタイン『フリードリヒ・ハイエク』を読んでいる。以下、ハイエクの知的エリート主義についての記述をメモ。 『通貨国家主義と国際的安定性』の中で、ハイエクは純粋…

ケルゼン「現代民主制論批判」(『ハンス・ケルゼン著作集Ⅰ』所収)

ケルゼンによるハイエク批判のメモ。 徹底的に分権的で、殺人と近親相姦の禁止のような最低限の規制のみをもつ原始的な社会秩序とて、集権化のある段階である。それに比べれば、近代国家はかなりの範囲の規制対象をもち、はるかに集権度が高いが、全体主義と…

ミシェル・フーコー『生政治の誕生』

フーコーは『生政治の誕生』の中で、ハイエクのことを「現代の自由主義の定義づけにとって非常に大きな重要性を持っていました」(129)と取り上げ、ハイエクについて何度か言及している。気になったところをメモ。 経済は一つのゲームであり、経済に枠組を与…

『ハイエク、ハイエクを語る』読書メモ

『ハイエク、ハイエクを語る』の中で、ハイエクがシュンペーターの理論とハイエク自身の理論との関係について語っている箇所が興味深いのでメモ。 予言の性格がどこか似ています。しかしシュンペーターはパラドクスを心から楽しんでいるのです。彼は、資本主…

今井照『地方自治講義』

地方自治の基礎概念や歴史・現状について、本書ほどわかりやすく、丁寧に論じた新書はめったにないだろう。本書を読むことで、地域社会や自治体を考える基本的枠組みを獲得することができる。 「自治体を私たちが使えるものにしたい」(278)ー帯にも書いてい…

2017年人文書(?)メモ

2018年1月5日のゲンロンカフェ、斎藤哲也 × 山本貴光 × 吉川浩満 「「人文的、あまりに人文的」な、2017年人文書めった斬り!」は面白く、それぞれの選書リストも大変参考になった。この放送に便乗して、(おそらく)リストに入っていないオススメ人文書をメ…