yamachanのメモ

日々の雑感や文献のメモ等

2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ジュディス・バトラー『問題=物質となる身体-「セックス」の言説的境界について』

「一九九〇年代以降のフェミニズム「理論」を新しい地平へと押し広げた批評家」*1で、「セックス、セクシュアリティ、ジェンダー、言語に対する考え方を変えた」*2思想家であるジュディス・バトラーの代表作の一つ、『問題=物質となる身体』*3の翻訳書がつ…

『ジャック・デリダ講義録 ハイデガー 存在の問いと歴史』24ページ2段落から28ページ2段落目まで

ヘーゲルにとって歴史と哲学の終わりは、それ以降は歴史の運動が止められ、停止させられてしまうような事実的な限界を意味していないことは自明です。そうではなく、歴史性の地平と無限の開けが、ついにそのものとして現れた、あるいはついにそのものとして…

工藤勝己『一発OK!誰もが納得!公務員の伝わる文章教室』

「国・都・区という3つのステージで実務に携わり、10年以上管理職として文章を書いてきた」(3)現役公務員による、文章の書き方の実践本。例文を紹介しながら、添削指導する形式で解説しているため、大変わかりやすい。文章の書き方を学ぶ研修がない自治体…

『ジャック・デリダ講義録 ハイデガー 存在の問いと歴史』(22ページ2段落から24ページ1段落目まで)

ここからは、ヘーゲル『哲学史講義』への言及が続く。 『哲学史講義』によれば、「哲学は、その起源を哲学史から取り出すのであり、その逆もまた然りである。哲学と哲学史は、互いが互いの鏡像である。哲学史を研究することが、哲学そのものを研究することで…

『ジャック・デリダ講義録 ハイデガー 存在の問いと歴史』(22ページ1段落目まで)

『存在と時間』の第六節は、存在論の歴史の<解体>(Destruktion)を最重要の課題として定めています。ここで解体とは…存在論の解体です。すなわち、その歴史全体を通じて思考され、実践されてきた、そうした存在論の解体なのです。(21) 「解体」について…

川瀬和也『全体論と一元論-ヘーゲル哲学体系の核心』

「全体論と一元論」というテーマはもちろん、「ヘーゲル哲学体系の核心」という副題にも関心を持つ読者は少なくないだろう。決して分厚いわけではないこの研究書で、どのようにして「ヘーゲル哲学体系の核心」へ迫るのか。著者の川瀬和也さんは、ヘーゲル『…