yamachanのメモ

日々の雑感や文献のメモ等

2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧

齋藤純一・谷澤正嗣『公共哲学入門-自由と複数性のある社会のために』

多くの人々に「開かれた」公共哲学の新しい教科書が出版された。カント、アーレント、ハーバーマスといった公共哲学の歴史、功利主義、リベラリズムリバタリアニズム、ケイパビリティ・アプローチといった公共哲学の理論、不平等、社会保障、デモクラシー、…

塩田潤『危機の時代の市民と政党-アイスランドのラディカル・デモクラシー』

これほど本格的にアイスランドの政治社会を論じた研究書はおそらくないだろう。「地域研究は他の学問分野に比して、潜在的に分野横断的、学際的性質が高い」(25)という言葉通り、アイスランドの民主主義の動態を理論的・実証的に、そして領域横断的に描い…

松葉類『飢えた者たちのデモクラシー レヴィナス政治哲学のために』

本書は、著者である松葉氏が経験した「一人の物乞い」の出来事から始まる。「本書を執筆しながら、私は何度もこの出来事と向かうことになった」(ⅱ)ようだが、私たちもまたそれぞれの具体的な状況を思い浮かべながら本書を読むことになる。レヴィナス政治哲…

安住秀子『財政課も思わず納得!公務員の予算要求術』

予算要求の作業は秋以降となるが、概算要望(政策調整・ローリング等)の作業は4月から準備を進める必要がある。また、予算要求の時期になると、その業務に追われることになるから、事前に予算要求のノウハウを理解しておいた方がよいだろう。最近出版された…