yamachanのメモ

日々の雑感や文献のメモ等

2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

仲正昌樹『現代哲学の最前線』、小川仁志『哲学の最新キーワードを読む』

大きく変化していく世界、その世界を見通すために哲学や思想を学びたいという人はいると思う。僕もその一人であり、仲正昌樹『現代哲学の最前線』と小川仁志『哲学の最新キーワードを読む』は、それぞれ違う角度から現代の哲学を解説している。 『現代哲学の…

戸谷洋志・百木漠『漂泊のアーレント 戦場のヨナス』

帯文が「二〇世紀の破局を二人はどう生き、そこに何を見たのか。「二一世紀の全体主義」に警鐘を鳴らす友情の記録」とうたっているように、本書はハンナ・アーレントとハンス・ヨナスの生涯を、二人の交わりを視野に入れて追いつつ、それぞれの思想を描いた…

「通学路とは」という問いから仕事について考える

国や県から照会があったとき、迷うことが多い概念の一つに「通学路」がある。多くの場合は「学校長が指定する道路」についての照会だけど、まれに「交安法(交通安全施設等整備事業の推進に関する法律)に基づき指定されている道路」についての照会がある。 そ…

蔭山宏『カール・シュミット』、古賀敬太『カール・シュミットとその時代』

蔭山宏『カール・シュミット』は2020年6月に出版されており、「あとがき」においては、新型コロナウィルスの世界的流行について「シュミットのいう例外状況の発生である」(257)という指摘がある。「緊急事態」という言葉が日常に浸透した今、シュミットの…

重田園江『統治の抗争史-フーコー講義1978-79』

私が学生時代の頃、「セキュリティ」は社会学や政治学において注目されたテーマの一つであり、その中でミシェル・フーコーは「生権力」や「規律権力」といった概念を通じて知った人物であった。そこでのフーコーは「使う」ものであり、「読む」ものではなか…