yamachanのメモ

日々の雑感や文献のメモ等

社会学

佐藤俊樹『メディアと社会の連環』(マスメディアシステム論に関するメモ)

〇ニクラス・ルーマン『マメディアのリアリティ』 私たちは、私たちが生きる社会、あるいは世界について知っていることを、マスメディアをとおして知っている。(7) マスメディアという概念は、複製のための技術的手段を利用してコミュニケーションを伝播す…

1992年以前3つの大画期(「<秩序>の時代」、「<未来>の時代」、「<自己>の時代」)(2025年6月10日 荒野塾 復習)

※宮台真司『私たちはどこから来て、どくへ行くのか』も参照 〇<秩序>の時代(1945~1964) ・現実の評価の物差しは理想秩序(大東亜共栄圏、八紘一宇、世界平和)との距離。秩序肯定的。現在の社会秩序が理想的なものであり、秩序の攪乱は悪なる他者(秩序…

1973年という画期(宮台真司『増補 サブカルチャー神話解体』)(2025年5月20日 荒野塾 復習)

「本書では、戦後サブカルチャーの意味論的な画期をおよそ、1955年、64年、73年、77年、83年、88年、92年に設定する」(宮台真司『増補 サブカルチャー神話解体』10)とあり、第2回『社会意識と社会構造』の中では主に「1973年」の画期(エポック)について…

三島由紀夫「果し得ていない約束-私の中の二十五年」(2025年5月20日 荒野塾 復習)

第2回『社会意識と社会構造』の中で、三島由紀夫の「空っぽの日本」についての言及があったのでメモ。 三島は70年の秋に死んだので73年を知らない。だから三島は、若者と大人に日本人が分断されていることをすごく憂いた。でも、73年以降を知っている私たち…

松本健一の「一九六四年社会転換説」(松本健一『竹内好「日本のアジア主義」精読』)(2025年5月20日 荒野塾 復習)

第2回『社会意識と社会構造』の中で、松本健一の「一九六四年社会転換説」の議論があったので、家にある文献からメモ。 谷川雁が一切の活動をやめて上京した一九六五年に、司馬遼太郎がいわば現代人日本人の理想像として坂本竜馬(『竜馬がゆく』)を提出し…

郊外化に関するメモ(宮台真司×野田智義『経営リーダーのための社会システム論-構造的問題と僕らの未来』)(2025年5月13日 荒野塾 復習)

Jホラー論で郊外化の話が出てきたので、宮台真司×野田智義『経営リーダーのための社会システム論-構造的問題と僕らの未来』に出てくる3段階目の郊外化についてメモ 〇1段階めの郊外化=団地化(1960~)(73) ・地域の空洞化:興奮やお祭り感覚などの「体…

宮台真司『崩壊を加速させよ』(2025年5月13日 荒野塾 復習)

今回の荒野塾でホラー論への言及があったため、宮台真司『崩壊を加速させよ』所収の「『呪怨:呪いの家』「場所の呪い」を描くJホラーVer.2、あるいは「人間主義の非人間性=脱人間主義の人間性」を読む。以下、メモ。 realsound.jp 〇ホラー映画の批評機能…

村松怜「財政と歴史-財政史研究の再評価」(『財政社会学とは何か』)

〇目次 はじめに 1 国家形成と財政-「新しい財政史(new fiscal history)」 1.1「新しい財政史(new fiscal history)」 1.2 ブリュアの「財政=軍事国家」研究 1.3 ボニーらによる財政の歴史的変化に関するモデル 1.4 財政史研究の地域的・時代的広がり …

茂住政一郎「新財政社会学の展開とその成果をめぐって-財政学、公共経済学研究との対比から」(『財政社会学とは何か』)

〇目次 はじめに 1 財政の意思決定をめぐる議論 1.1 資源配分の効率性か、財政をめぐる意思決定か 1.2 国家と納税者との関係性をもとにした整理・分類 1.3 ドイツ財政学と共同体モデル 1.4 最初期の財政社会学と階級国家モデル 1.5 ヴィクセリアン・アプロ…

井手英策「財政学と財政社会学-20世紀に何が問題とされてきたのか」(『財政社会学とは何か』)

〇目次 1 学問を超えてありつづけた「財政社会学」へのまなざし 1.1 財政社会学とは何か 1.2 財政社会学の方法的精緻化とその衰退 1.3 財政社会学のルネサンス? 1.4 援用された財政社会学の<ロジック> 2 財政学の知的伝統と対峙する 2.1 敗戦がといつ財…

石戸教嗣『ルーマンの教育システム論』

・目次 序章 ルーマンの教育システム論の視座 第Ⅰ部 機能システムとしての教育システム 第一章 教育システムの反省とは何か 第二章 教育システムのオートポイエシス 第三章 教育システムにおける時間 第四章 教育システムの改革問題 第Ⅱ部 教育システムにお…

反啓蒙思想について(宮台真司 荒野塾『社会学原論』メモ)

宮台真司×野田智義『経営リーダーのための社会システム論』 〇啓蒙思想(17~18世紀):社会は人間がつくるものであり、理性的な人間が自由意志で契約を結べば合理的な社会が実現する。 →フランス革命(1789年)の失敗:革命から混乱、自由社会から独裁体制 …

高度消費社会について(宮台真司 荒野塾『社会学原論』メモ)

宮台真司『制服少女たちの選択』 消費社会-それはモノの消費がフィクションの消費をともないはじめる社会ということである。たとえば、この商品を買えば「階級差を見せびらかせる」というフィクション。これは初期の消費社会にはどこでもあるので、日本でも…

人格5類型について(宮台真司 荒野塾『社会学原論』メモ)

宮台真司『システムの社会理論』 このモデルは「期待外れのにどう対処するか」のタイポロジーです。例えば、万事につけ期待水準を低めに設定することで期待外れの衝撃を回避する戦略をとるのが「頭のいいニヒリスト」です。逆に、万事につけ期待水準を高めに…

目的プログラム/条件プログラムについて-ニクラス・ルーマンの文献メモ(宮台真司 荒野塾メモ)

福井康太『法理論のルーマン』 条件プログラムとは、「Wenn/Dann」(もし~ならば……もたさられるべし)という図式にしたがって、一定の原因を、一定の効果の発動要因(条件)として確定するプログラムのことを言う。…法システムは、条件プログラムという定式…

目的プログラム/条件プログラムについて-小室直樹から学ぶべきもの(宮台真司 荒野塾メモ)

宮台真司 荒野塾・特別編で示された普遍的な二つの構え、 ・主意主義/主知主義 ・ギリシャ的(イエス的)/エジプト的(セム族的) ・目的プログラム(価値合理性)/条件プログラム(if-then)(目的合理性) ・神感染的/神強制的 ・万物学/メタ万物学 …

山崎望[編]『民主主義に未来はあるのか?』

「民主主義に未来はあるのか?」-本書のタイトルになっているこの問いに対して、時間と空間、そして学問領域を超えてアプローチする野心的な一冊である。このような横断性を有する著作は、まとまりの無さ故の読みづらさという欠点を持つこともあるが、編者…

北田暁大・白井聡・五野井郁夫『リベラリズム再起動のために』

リベラル再起動のために、まずは広く横につながることが大切であるが、そのためには最低限共有できる点を確認する必要がある。北田暁大氏・白井聡氏・五野井郁夫氏の三者が同意できることは、以下の点である(116-7)。 ・リベラリズムにおいては機会の平等…

宮台真司・仲正昌樹『日常・共同体・アイロニー』

本書において、宮台真司氏はリベラリズムの「端的な事実性」を説いている。端的な事実性とは、「「人間とはこの範囲だ」とか「我われとはこの範囲だ」といった区別の線引きについての事実性」のことであり、「こうした事実性なくして機能しない」(64)とし…

宮台真司・藤井誠二・内藤朝雄『学校が自由になる日』

宮台真司氏は、ジョン・スチュアート・ミル『自由論』を挙げて、「リベラリズムとは、個人の尊厳を与える、愚行を含めて自己責任でなされる自由な試行錯誤を保証するような社会制度に、価値的にコミットする思想的態度を示すもの」(17)と説明している。ポ…

北田暁大+鈴木謙介+東浩紀「リベラリズムと動物化のあいだで」(東浩紀編著『波状言論S改』)

東浩紀氏は、自由の概念を「所有権にもとづいたリバタリアニズム的なものと、社会の異種混淆性や他者への開放性を重視するリベラリズム的なもの」(168)に分ける。前者が他者の迷惑にならない限りは何をやってもよいという自由で、後者が他者のことも考えて…

北田暁大「現代リベラリズムとは何か」(仲正昌樹・清家竜介・藤本一勇・北田暁大・毛利嘉孝『現代思想入門』)

北田暁大氏は、「リベラリズム」のアイデンティティについて、「「問い」のレベルでの共通性に同一性の「根拠」を見いだす」(163)井上達夫氏の議論に注目している。井上氏によると、「リベラリズムの自同性の根をなす問い」とは「善から区別された社会構成…

北田暁大「知的緊張を追体験せよ-”理論武装”のためのブックガイド海外編」(『論座2005.7』)

北田暁大氏は、近代リベラリズムを特徴づけるものとして、「私的所有、自己決定、自律といった個人主義的な契機」と、「市場主義(自己調整機能への着目)」を取り上げている(79)。それは以下のように分類される*1。 私的所有:ジョン・ロック『市民政府論…

稲葉振一郎「「ネオリベ」批判を越えて」(『論座2005.7』)

稲葉振一郎氏は、「新自由主義=新保守主義は、内政、社会経済政策における『小さな政府』論、市場原理主義と、外交におけるタカ派リアリズムとの混合物である」という「ケインズ主義の黄昏とネオリベラルの勝利のお話」(69)を批判的に捉えることから、リ…

大澤真幸「第三者の媒介で「新しい自由」を切り開け」(『論座2005.7』)

大澤真幸氏は、リベラリズムを「自由を、(他者の同様な)自由とは異なる根拠によって抑圧すべきではないとする思想」(46)と定義し、リベラリズムの理念として「個人がこの経験的世界で帯びる偶発的な性質を無化し、還元すること」(48)を提示している。 …

ズンク・アーレンス『TAKE NOTES!-メモで、あなただけのアウトプットが自然にできるようになる』

「成功とは強い意志力と抵抗に打ち勝つ力の産物ではなく、最初から抵抗を発生させない仕事環境の成果である」(50)-本書はそのために、副題にもある「メモ」を始めることを推奨し、その方法論を論じている。そして、この仕事術のモデルとなるのが、ニクラ…

赤堀三郎『社会学的システム理論の軌跡-ソシオサイバネティクスとニクラス・ルーマン』

「『社会学的システム理論の軌跡』という題名が示唆するのは、本書において、社会学的に考えるための道具とされたシステム理論がどういったパラダイムに属するかということが論じられる、ということである」(7)と著者は述べ、システム理論の概念を解きほぐ…

上野千鶴子・鈴木涼美『限界から始まる』

かつて細見和之さんは「書簡文化の終焉」を語ったことがあるが*1、本書が企画され、公開されることを前提とした、そして編集者を介した「往復書簡」であったとしても、「書簡」という形式だからこそ語ることができた、語ることになったことがあるだろう本書…

田村哲樹・加藤哲理編『ハーバーマスを読む』

政治学や社会学、そして哲学の書棚にも置かれるほどに多様な領域に多大な影響を与え、現代を代表する思想家の一人であるユルゲン・ハーバーマスの全貌に迫る一冊だ。第Ⅰ部では討議倫理学や公共圏、法・憲法といったテーマ・トピックに即して、第Ⅱ部ではハー…

『創造観光2017~Magical I-marginal-y Tour~』

まちあるきのツアー本だが、本書を読んで思い浮かべた哲学者がいる。そのうちのひとりがジャック・デリダだ。なぜか?それはツアーのプログラムに組み込まれた短編小説の内容と、小説に出てくる「相田家」の設定による。その設定とは、「相田家は、典型的な…