2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧
デリダ(宮﨑裕助)、ヘーゲル(大河内泰樹)、マルクス(斎藤幸平)の専門家が、マルクス・ガブリエルの哲学について議論した鼎談(『現代思想 2018.10月臨時増刊号』所収)。ガブリエルの著作を読むにあたっても参考になると思って再読したので、気になった…
仕事においてスピーチをすることが多くなると思っていたところ、愛読してきた橋爪大三郎氏の新著『パワースピーチ入門』を本屋でたまたま発見。最近は橋爪氏の著作から遠ざかっていたが、本書は橋爪社会(科)学の実践書とも言えるような内容であり、大変興…
近年では、映画『ハンナ・アーレント』が話題になったり、「新書によるアーレントの入門書が出版され続け」(317)ることで、一般の人びとにもその名を知られるようになったハンナ・アーレントが『読本』シリーズとして刊行された。まず手に取って驚くのが本…
思弁的実在論の潮流の原点とも言うべき2007年のゴールドスミス・ワークショップの登壇者の一人であるグレアム・ハーマンが、自身とその他の登壇者(レイ・ブラシエ、イアン・ハルミトン・グラント、カンタン・メイヤスー)の思想を章ごとに解説している。各…
本書は1950年代~70年代初頭にかけての「前期デリダ」の思想展開を検討し、「戦争」という概念が主題化されていった過程を明らかにするもの。デリダおいて問題となる「戦争」は、私たちが通常思い浮かべる「武力衝突や政治的な緊張関係」(10)を指すもので…
「経済的には社会主義、文化的に保守主義、政治的には自由主義」(299)を自身のスタンスとする著者が、「新天下主義」を目指すべきものとして掲げ、歴史主義、国家主義、新儒家という三大反啓蒙の思潮を批判したのが本書である。タイトルからは哲学・現代思…
近年注目を集めている実在論はどのようなものなのか、そしてその注目は何を意味するのか、これらの疑問を解消するために3冊の本を読んでみた。 1 千葉雅也『思弁的実在論と現代について』 思弁的実在論を主題とする対談と、思弁的実在論の実践的適用をめぐ…
「総務・企画部門から事業部門までどこに異動しても使える仕事基礎・基本スキル80」と表紙に書かれている通り、公務員として働くうえで必要とされる基本的な知識や情報が本書には書かれている。さらに、「どこの部署に異動しても」というだけではなく、「ど…
世界中をゆるがせている新型コロナウィルス感染症について、2020年前半における感染拡大の経緯と対策を記述し、その状況に対して「走りながら考え」(199)、社会学的分析を行った本書は、コロナ危機に対する見通しを良くし、我々が立ち止まって思考するきっ…