地方自治
予算要求の作業は秋以降となるが、概算要望(政策調整・ローリング等)の作業は4月から準備を進める必要がある。また、予算要求の時期になると、その業務に追われることになるから、事前に予算要求のノウハウを理解しておいた方がよいだろう。最近出版された…
1 民法の性質*1(1)民法は私法の一つである 公法とは、国や公共団体の内部や相互間の関係を規律するルール、および、それらと私人との関係を規律するルール。私法とは私人相互間の関係を規律するルール。 (2)民法は一般法である 上記の商法等(特別法…
元自治体職員で地域情報化アドバイザーとして自治体の情報化に携わってきた髙橋邦夫さんが、「自治体DX推進のヒント」(ⅱ)を語っている。「はじめに」で指摘しているように、「デジタル化に則した働き方に変えるためには、規則や要綱の改正とともに、職員の…
「みんなたこつぼのなかにいる」(30)-著者のこの言葉にうなずかざるを得ないという人も少なくないだろう。この「「分担」による「分断」」(131)を解消し、「一つの目的のために一緒に物事をする」という「連携」(131)が、今の公務員には必要とされて…
この時期になると、当初予算の要求に加え、国の経済対策としての補正予算にあわせた、自治体での補正予算編成事務が生じてくる。ここでの補正予算とは、いわゆる「15か月予算」のことであり、「予算の前倒し」としても表現される。 財政部局の立場としては、…
「自治体戦略2040構想研究会」の報告書で示された「半分の職員数でも担うべき機能が発揮される自治体」、本書はこの背景にある人口減少社会における自治体の人事戦略について、具体的な実践事例や取組みを交えて論じている。 職員・労働力不足への対応として…
「国・都・区という3つのステージで実務に携わり、10年以上管理職として文章を書いてきた」(3)現役公務員による、文章の書き方の実践本。例文を紹介しながら、添削指導する形式で解説しているため、大変わかりやすい。文章の書き方を学ぶ研修がない自治体…
新型コロナウイルス感染症対策において地方自治体に注目が集まっている中、コロナ禍での自治体の動向や今後のあり方を問う、重要な一冊が出版された。 本書の視点は、タイトルが示しているように、「コロナ対策禍」である。「コロナ対策禍」とは、政策課題と…
公用文のルールである「公用文作成の要領(昭和27年内閣官房長官依命通知別紙)」の見直しについて検討が行われ、「新しい「公用文作成の要領」に向けて(報告)」が公表された。本書はこの報告書に沿って公用文の書き方を解説している。 第1章 公用文の分類…
管理職デビュー、議会出席デビュー、答弁デビューの経験を語りつつ、これからデビューを迎える職員に向けて書かれた議会答弁の指南書である。各自治体によって制度や慣例で異なるところはあるかもしれないが、本書で説明されている議会の知識や議会答弁のノ…
自治体の場合には、自治体の長や公営企業の管理者などが訴訟行為の代表機関となる。実際の訴訟遂行を担うのは、次のような訴訟代理人である。①指定代理人(自治法153条1項に基づき地方公共団体の職員に庁の権限に基づく事務を代理させる)、②弁護士(民訴法5…
仕事をする上で、「なぜこのような調整が必要なのか?」と批判の対象ともなる「調整」について論じた一冊。調整術を理論的に説明した1章から3章、①組織(庁内)における調整、②議会との調整、③地域との調整、④国や他自治体などの関係機関との調整という4つの…
特集のタイトルにある、「大阪都構想」によって「日本は没落する」という論理が気になって、『表現者 クライテリオン11 特集:「大阪都構想」で日本は没落する』を読んでみた。以下、大阪都構想と日本没落とが関係ありそうな発言をメモ。 柴山桂太:大阪都構…
奈良県生駒市長が、これからの自治体像、職員像、地域像、そして市民像を描いた一冊。本書の特色は、生駒市の取組事例を紹介するだけではなく、様々な概念を提示することで理念を共有し、実践へと導こうとする姿勢が見えることだ。例えば、本書のタイトルに…
マイナンバー制度と言えば、プライバシーの問題やその利便性を中心に議論される傾向にあるが、本書は制度の歴史的発展に注目する。そうすることで、マイナンバー制度がなぜ現在抱えているような問題に直面しているのかが明らかになり、その解決策を考えるた…
・中央地方関係の類型 アングロ・サクソン型=分権・分離型(イギリスを母国として英連邦諸国、アメリカに普及) ヨーロッパ大陸型=集権・融合型(フランスを母国としてラテン諸国、ゲルマン諸国に普及) 分権・分離型の市町村の自治権は、事務権限の範囲に…
・法治主義の3原理:①法律優越の原理、②侵害留保の原理、③法律による裁判の原理→この3原理のすべてを具備した法治主義が確立されないと「法律による行政」の原理(法治行政原理)は不完全である。 立法・司法・行政の分立に関連してすでに確立済みの法治主…
地方自治の基礎概念や歴史・現状について、本書ほどわかりやすく、丁寧に論じた新書はめったにないだろう。本書を読むことで、地域社会や自治体を考える基本的枠組みを獲得することができる。 「自治体を私たちが使えるものにしたい」(278)ー帯にも書いてい…
10月になれば、おそらくそのうち予算編成方針の通知ががあって、予算要求作業が本格化する。それに向けて、昨年の予算要求時期には出版されていなかった、吉田博・小島卓弥『予算要求の実務-実践から新たな仕組みづくりまで』を読んだ。 自治体 予算要求の…
しばらくブログから遠ざかっていた。そしてたまっていたお買いものメモ。 まずは、打越綾子『日本の動物政策』。 日本の動物政策 作者: 打越綾子 出版社/メーカー: ナカニシヤ出版 発売日: 2016/04/15 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る …
久しぶりに大物を購入。スラヴォイ・ジジェク『もっとも崇高なヒステリー者-ラカンと読むヘーゲル』。 もっとも崇高なヒステリー者 ――ラカンと読むヘーゲル 作者: スラヴォイ・ジジェク,鈴木國文,古橋忠晃,菅原誠一 出版社/メーカー: みすず書房 発売日: 20…
夫婦同姓の合憲判決があった今こそ読み返したい本の一冊が、松村亨『夫婦別姓の婚姻届が出されたら』だ。 夫婦別姓の婚姻届が出されたら (自治体職員のための政策法務入門 2 市民課の巻) 作者: 松村享,出石稔 出版社/メーカー: 第一法規株式会社 発売日: 200…
以前、購入していた本で、記録するのを忘れていた一冊。朝日新聞大阪社会部『ルポ 橋下徹』。 ルポ・橋下徹 (朝日新書) 作者: 朝日新聞大阪社会部 出版社/メーカー: 朝日新聞出版 発売日: 2015/11/26 メディア: 新書 この商品を含むブログ (1件) を見る 橋下…
都市計画について考えることがあり、『白熱講義 これからの日本に都市計画は必要ですか』を読んだ。 白熱講義 これからの日本に都市計画は必要ですか 作者: 蓑原敬,藤村龍至,饗庭伸,姥浦道生,中島直人,野澤千絵,日埜直彦,村上暁信 出版社/メーカー: 学芸出版…
今月は気になる雑誌が盛りだくさん。まずは、特集の「ドイツ観念論と理性の復権」目当ての『ニュクス 2』。 nyx(ニュクス) 第2号 作者: マルクス・ガブリエル,浅沼光樹,阿部ふく子,池松辰男,大河内泰樹,加藤紫苑,城戸淳,桑原俊介,下田和宣,多田圭介,中川明…
小西砂千夫氏を知ることになったのは、働き始めたときに、父親から「この本は読んでおいた方がいい」と、『地方財政改革の政治経済学』を勧められたことがきっかけである。 地方財政改革の政治経済学―相互扶助の精神を生かした制度設計 作者: 小西砂千夫 出…
予算要求に向けて、職場に置いていた本を持って帰ってきてお勉強。仕事に費やす時間を少しでも勉強する時間に充てることで、結果的には時間を有効に使うことができる。だから、「忙しい」「職場以外で仕事のことを考えたくない」という理由で勉強する時間を…
自治体は予算要求の時期というわけで、家にある自治体予算や地方財政に関する本を読んでみた 自治体の予算要求 考え方・つくり方 作者: 吉田博,小島卓弥 出版社/メーカー: 学陽書房 発売日: 2009/11 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 9回 この商品を含…