yamachanのメモ

日々の雑感や文献のメモ等

2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

白川晋太郎『ブランダム 推論主義の哲学-プラグマティズムの新展開』

“ Making It Explicit ” や “ A Sprit of Trust ” など、読みたくてもなかなか手を出せないでいたロバート・ブランダムに関する待望の入門書が出版された。「ブランダムの哲学とは、「分析哲学」「プラグマティズム」「ドイツ観念論」を統合した言語哲学」(…

松元雅和『公共の利益とは何か-公と私をつなぐ政治学』

タイトルにもあるように、本書のキーワードは「公共の利益」であり、政治学の基礎的概念(「政治」「公共の利益」「自由主義」「民主主義」「権力分立」)と、具体的な政治制度や政治過程(「議会」「執政部」「官僚」「選挙」「政党」「団体」)を取り上げ…

堤直規『教える自分もグンと伸びる!公務員の新人・若手育成の心得』

『公務員1年目の教科書』や『公務員ホンネの仕事術』等、公務員の働き方に関する著作を多数出版している堤直規さんによる新著は、公務員の育成方法や育成することの意義を解説している。 本書は、「初めて新人を指導することとなった若手向け」「指導・育成…

宮本太郎『貧困・介護・育児の政治-ベーシックアセットの福祉国家へ』

民主党政権の「有識者検討会」座長をつとめたり、「生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会」部会長をつとめる等、政治過程・政策形成の現場でも活動されてきた宮本太郎氏が、この約30年の福祉政治を分析し、新たなる構想を描いた良書。 タイトルにも…

小田順子『令和時代の公用文書き方のルール-70年ぶりの大改定に対応』

公用文のルールである「公用文作成の要領(昭和27年内閣官房長官依命通知別紙)」の見直しについて検討が行われ、「新しい「公用文作成の要領」に向けて(報告)」が公表された。本書はこの報告書に沿って公用文の書き方を解説している。 第1章 公用文の分類…

野口雅弘/山本圭/髙山裕二編著『よくわかる政治思想』

「信頼できる書き手による「道案内」となる本書」(ⅰ)と自負するように、96項目にわたり、各テーマに詳しい62名の研究者が執筆している優れた政治思想のテキストである。本書の構成は、「政治思想とは何か」「政治思想の方法」という理論・方法論から始まり…