2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧
大著『負債論』の著者であり、近年では「bullshit jobs」という概念を提示して注目を集めているデヴィッド・グレーバーが民主主義を論じた注目すべき一冊。邦訳のタイトルと副題からもわかるように、本書は民主主義の起源について、そして民主主義が成立する…
マイナンバー制度と言えば、プライバシーの問題やその利便性を中心に議論される傾向にあるが、本書は制度の歴史的発展に注目する。そうすることで、マイナンバー制度がなぜ現在抱えているような問題に直面しているのかが明らかになり、その解決策を考えるた…
本書の出版は2014年。「公共の利益は人権を上回るのか」(33)として次のような例が挙げられている。 たとえば、どこか外国で、悪質な伝染病が流行しているというケースを考えてみましょう。 この国の人民には、居住地選択の自由や移動の自由がありますから…
・中央地方関係の類型 アングロ・サクソン型=分権・分離型(イギリスを母国として英連邦諸国、アメリカに普及) ヨーロッパ大陸型=集権・融合型(フランスを母国としてラテン諸国、ゲルマン諸国に普及) 分権・分離型の市町村の自治権は、事務権限の範囲に…
・法治主義の3原理:①法律優越の原理、②侵害留保の原理、③法律による裁判の原理→この3原理のすべてを具備した法治主義が確立されないと「法律による行政」の原理(法治行政原理)は不完全である。 立法・司法・行政の分立に関連してすでに確立済みの法治主…
日本を代表する思想家であり批評家、東浩紀氏の過去・現在・未来を知るうえで最適の一冊である。東氏の思想に通底しているのは、タイトルにもある「誤配」。「誤配とは自由のことである。そして、ぼくがこの本のなかで繰り返し主張しているのは、政治や公共…
本書を中学生や高校生の時に読んでいたら…富永京子『みんなの「わがまま」入門』を読むと、そのようなことを考えてしまう。その理由は、著者の社会に対するアプローチと、僕が学生時代に勉強してきた社会に対するアプローチが異なるからだと思う。 著者のア…