よくある今年の○○冊という記事を(そのうち)書くために、購入した書籍もアップすることにした。今回掲載するのは、一昨日、西宮ガーデンズのブックファーストで購入した書籍。
文学のミニマル・イメージ モーリス・ブランショ論 (流動する人文学)
- 作者: 郷原佳以
- 出版社/メーカー: 左右社
- 発売日: 2011/03/03
- メディア: 単行本
- クリック: 29回
- この商品を含むブログ (10件) を見る
ずっと前から気になっていた本で、ふらりと立ち寄ったブックファーストで発見して、運命の出会いと思って購入。序論から、フーコー、ランシエール、ドゥルーズ、デリダ、ポール・ド・マン、ハイデガー、ナンシー、アガンベン、ディディ=ユベルマン等々、魅力的な固有名が並ぶ。
印象的なのは、「あとがき」のエピソード。
博士課程進学後、いかにも頼りない論文計画書を持って行った著者に対し、先生は一言、一年間はテーマを決めずにブランショのすべてのテクストを発表順に読み直しなさい、とおっしゃった。その日から、図書館に通って雑誌初出記事を複写し、単行本との異同を確認しつつひたすら読む、という日々が始まった。テーマなしに読むことの不安に苛まれつつも、「ブランショはこんなことを書いていたのか」という発見の喜びを知った。(309)
この一年間は、きっと何十年もの価値があるのだろうと思う。僕も「すべて」とまではいかなかったけど、学部生時代に、小室直樹の論文を図書館でコピーしまくって、中古本を買いまくって、訳も分からずに読み漁ったことが、大きな「力」になっていると思う。もう一度、そんな風に時間を費やすことができたらなぁ…とも思う。
とりあえず、郷原佳以『文学のミニマル・イメージ ー モーリス・ブランショ論』、読むのが非常に楽しみな一冊。