yamachanのメモ

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指定代理人について(鈴木潔『強制する法務・争う法務』)

自治体の場合には、自治体の長や公営企業の管理者などが訴訟行為の代表機関となる。実際の訴訟遂行を担うのは、次のような訴訟代理人である。①指定代理人自治法153条1項に基づき地方公共団体の職員に庁の権限に基づく事務を代理させる)、②弁護士(民訴法54条)、③訟務検事など(自治体を当事者とする訴訟の場合は、権限法7条1項に基づき、法務大臣に依頼することができる)。なお、訴えの提起や和解等の訴訟行為については、議会の議決を要する。(自治法96条1項12号)(61)

指定代理人は場合によっては、弁護士の代わりに法廷で発言を求められるため、訴訟の過程を常に把握しておくことが不可欠であるから、訴訟対応能力を高めることとなる。なお、多くの実務関係者が、指定代理人を選任する自治体が近年増加したという印象をもっている。(181-2)

訴訟遂行に当たっては、訴訟代理人に一任するのではなく、法務担当課および原課から指定代理人を選任し、法廷で代理人席に座ることが重要である。これにより、傍聴席に座っていたときに比べて、自治体職員の当事者意識、緊張感は大幅に増すであろう。(186)