yamachanのメモ

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公務員の昇任試験対策のおススメ本(地方自治法関連)

 ここ数年、毎年この時期になると、昇任試験対策の勉強会を開催している。労働組合の活動の中で「組合独自の学習会の一つとして、昇任試験対策の勉強会を開催してほしい」と頼まれたことがきっかけだ。

 思い返してみると、僕は昇任試験を受ける予定はなかったが、当時の出向先の職場に、とある職場の課長から電話がかかってきて、「試験もちろん受けるよな。申請しとくから」ということで受験することになった。自身が受験の対象になっていることすら知らなかった。

 どうせ受験するなら合格したいという思いはあったものの、出向先の職場には受験について相談できる職員もいないし、そもそも本庁の情報が入ってこない環境でもあった。試験は5月(その年は今よりも少し遅かったかも)、2月ごろに電話があって、4月には出向先から本庁に戻るから、「本庁に戻ってから勉強したらいいか」くらいの気持ちだった。

 ただ、いざ勉強しようとしても、当時の僕は試験に関する情報は持っておらず、2年間出向していたため本庁の情報すらも知らなかった。そこで、まずは試験に関する情報を集めて、昔の職場で同時期に受験する人たちと情報交換したり、勉強会を開催したりした。結果的に、そこで得られた情報や、勉強会のために勉強したことが合格につながったと思う。

 そして、昇任試験対策の勉強会の提案があったときに感じたことは、受験することにしたものの、自分一人では試験の情報を手にすることができず、どのように勉強したらよいのかわからない、僕と同じように悩んでいる職員がいるのではないか、それならばそれをサポートすることができるのではないか、ということであった。そこから毎年開催することになっている。

 今回は、試験対策に向けた勉強会を重ねる中で見つけた、効率的に勉強を進めていくためのおススメ本を紹介。ただ、「試験のためだけの勉強ではなく、「仕事に活用できる試験勉強」が前提となっていることに注意していただきたい。せっかく勉強するなら今後の仕事にも役立ててほしい、そのような思いがあるからだ。

 昇任試験において、地方自治法から見た地方自治の仕組みを理解しておくことが重要となる。地方自治法に関する語句説明や穴埋め問題、択一式の正誤問題、条文の穴埋め問題は頻出であるからだ。そこで参考となるのが、塩浜克也『スッキリわかる!地方自治法の基本』、今井照『図解よくわかる 地方自治のしくみ』である。

 まずは、『スッキリわかる!地方自治法の基本』の「地方自治法の構造図」(11)とその解説を読んでいただきたい。ここを読むことで地方自治法の全体像を理解でき、今後の勉強・仕事に役立つことになる。そして、学陽書房の101問シリーズ*1を解きながら、そこで出題されている条文を読み、『スッキリわかる!地方自治法の基本』でその条文を「ざっくり」理解し、解説で用語の意味を確認する、また、今井照『図解よくわかる 地方自治のしくみ』でイメージとしても理解する。このプロセスを経ることで理解が深まり、先述した地方自治法に関する問題に対応できるようになる。また、こうして身に着けた知識は、日々の業務で役立つものとなる。

 徹底的に勉強したい場合は、林雄介『新版 絶対スキルアップする公務員の勉強法』のなかの「地方自治法完全マスター法」(42)を参考にするのもよい。本書には、「絶対うかる昇進&資格試験対策と英語の勉強法」(107)や「昇進対策のための本」(157)についても記載がある。長期的に勉強に取り組みたい方は、これらも参考にするとよい。

 ただ、限られた時間の中で効率的に勉強するには、塩浜克也『スッキリわかる!地方自治法の基本』、今井照『図解よくわかる 地方自治のしくみ』が、まずはおススメである。

 

*1:まずは憲法地方自治法地方公務員法行政法が網羅されている『重要問題101問』がおススメ