yamachanのメモ

日々の雑感や文献のメモ等

公務員の昇任試験対策のおススメ本(論文問題)

僕たちの自治体では、昇任試験のなかに、筆記試験での小論文の他、自宅論文というものがあった。自身で論文を作成することになっているのだが、ほとんどの職員が、提出するまでの間に、課長などの上司に添削してもらっていた。そのため、受験する職員の「能力を試す」という点において機能していたかは不明であるが、その添削プロセスを通じて、論文を作成する技術を学ぶことができていた。

しかし、自宅論文がなくなったため、論文作成の知識や技術を知らないまま、本番の論文試験に挑むこととなる職員も少なくないようだ。そこで、論文対策本のおススメ本3冊を紹介する。

まず、地方公務員論文研究会編著『昇任試験 合格論文の絶対ルール』。一冊を選ぶならこの本。論文のルールや構成についてわかりやすく説明されており、何よりも論文例が豊富である。「政策的課題」と「職場・組織管理上の課題」について、多様なテーマが取り上げられているので、これらの論文例に目を通すことから学習を始めるのがよいだろう。

二冊目は、地方公務員昇任試験問題研究会『昇任試験 受かる人と落ちる人の論文答案例』である。本書は、「ダメ論文」と「合格論文」について、具体例を取り上げつつ、詳しく説明している。例えば、僕が論文を添削した経験上、「主語と述語が合っていない」(44)文章は非常に多かった*1。これらの「ダメ論文」に触れることで、自分のダメな癖を理解することも重要である。

最後は、地方公務員昇任試験問題研究会『昇任試験 採点者はココを見る!合格論文の鉄則』である。本書では、論文の評価基準が詳しく解説されている。評価基準を知ることは、論文作成時にも役立つのはもちろん、自分が作成した論文を見直す時に「距離を置いて」見る(=評価する)ことができるようになる。このプロセスを通じて、「合格論文」という目標に達することができるようになるし、今後、後輩へ的確に論文指導できるようになるだろう。

論文作成の技術は日々の積み重ねによって習得できるものだから、ここで取り上げた本をぜひ今からでも手に取ってほしい。

 

*1:そして、管理職の添削においても、この点を見落としていることが多かった