yamachanのメモ

日々の雑感や文献のメモ等

哲学・思想

脱構築と政治的実践、そして否定神学的共同体

東浩紀『存在論的、郵便的』を再読したところ、今の自分にとって大変興味深い箇所があったのでメモ。 存在論的、郵便的―ジャック・デリダについて 作者: 東浩紀 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1998/10 メディア: 単行本 購入: 17人 クリック: 173回 この…

張一兵『レーニンへ帰れ』をとりあえず買ってみた

ほとんど読めていないヘーゲル『論理の学』を読み解くためにも、「特集 ヘーゲル大論理学(概念論刊行200年)」目当てで『情況2016年6=7月号』を購入したところ、「張一兵『レーニンへ帰れ』(書評特集:第1弾)」という特集を発見。寄川条路「レーニンを脱…

お買いもの『民主主義を直感するために』外

4月末の出版ラッシュ。 まずは、國分功一郎『民主主義を直感するために』。 民主主義を直感するために (犀の教室) 作者: 國分功一郎 出版社/メーカー: 晶文社 発売日: 2016/04/28 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る 佐藤優氏が絶…

お買いもの『もっとも崇高なヒステリー者』外

久しぶりに大物を購入。スラヴォイ・ジジェク『もっとも崇高なヒステリー者-ラカンと読むヘーゲル』。 もっとも崇高なヒステリー者 ――ラカンと読むヘーゲル 作者: スラヴォイ・ジジェク,鈴木國文,古橋忠晃,菅原誠一 出版社/メーカー: みすず書房 発売日: 20…

お買いもの『底無き意志の系譜』外

購入していた本のメモ。 板橋勇仁『底無き意志の系譜-ショーペンハウアーと意志の否定の思想』。 底無き意志の系譜: ショーペンハウアーと意志の否定の思想 作者: 板橋勇仁 出版社/メーカー: 法政大学出版局 発売日: 2016/02/29 メディア: 単行本 この商品…

お買いもの『脱原発の哲学』外

興味深い本がたくさん出版されていて、その中から選ぶのが大変。 まずは、佐藤嘉幸/田口卓臣『脱原発の哲学』。 脱原発の哲学 作者: 佐藤嘉幸,田口卓臣 出版社/メーカー: 人文書院 発売日: 2016/02/25 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 僕は、脱…

お買いもの『リアル・デモクラシー』外

最近はバタバタしていて、色々とさぼり気味。そして、疲れてくると考えなくてよい不安や悩みが襲ってくる。いや、疲れに甘えるからこそ、そういうものに囚われてしまうのかも…。 とりあえず、購入していた本をメモ。 まずは、宮本太郎・山口二郎編『リアル・…

お買いもの『推論主義序説』外

本屋に行くと、「よみがえるヘーゲル!」という文字が飛び込んできた。それは、ロバート・ブランダム『推論主義序説』。 推論主義序説 (現代哲学への招待 Great Works) 作者: ロバート・ブランダム,丹治信春,斎藤浩文 出版社/メーカー: 春秋社 発売日: 2016/…

ヘーゲルの「孔」について

ヘーゲル『精神現象学』で「有孔態」という概念が出てきた(平凡社ライブラリー版165)。樫山欽四郎訳では、「素材のどれにもこれにも孔があって相互に浸透しうること。『論理学』の一の一二一」(同)という訳者による補足もある。この概念は、ヘーゲル独自…

お買いもの『有限性の後で』外

前に買っておいた本をメモ。まずは、カンタン・メイヤスー『有限性の後で-偶然性の必然性についての試論』。 有限性の後で: 偶然性の必然性についての試論 作者: カンタンメイヤスー,Quentin Meillassoux,千葉雅也,大橋完太郎,星野太 出版社/メーカー: 人文…

森元斎×酒井隆史のトークイベント

1月16日にジュンク堂難波店で開催された、森元斎『具体性の哲学』刊行記念トークイベントに行ってきた。今回、このイベントに参加した理由は、ホワイトヘッドに関心があるからではなく、酒井隆史氏が対談者であったからだ。学生時代に、『自由論-〔現在性の…

お買いもの『市民的自由主義の復権』外

しばらくの間ブログから離れていたけど、本は何冊か購入していたので、忘れないうちにメモ。 まず、小山裕『市民的自由主義の復権-シュミットからルーマンへ』 。 市民的自由主義の復権: シュミットからルーマンへ 作者: 小山裕 出版社/メーカー: 勁草書房 …

お買いもの『隠喩としての建築』外

今日は、市内で外食した帰りに、ブックオフに立ち寄る。そこで、めずらしい本を見つけたので購入。その本は、柄谷行人『隠喩としての建築』。 隠喩としての建築 (講談社学術文庫) 作者: 柄谷行人 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 1989/03 メディア: 文庫 購…

お買いもの『ラインホルト哲学研究序説』外

年末年始にも購入した本をメモ。まずは、田端信廣『ラインホルト哲学研究序説』。 ラインホルト哲学研究序説 作者: 田端信廣 出版社/メーカー: 萌書房 発売日: 2015/10 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 以前から気になっていたこの本、高知県の…

お買いもの『現代思想 ポスト現代思想』外

今日は、(おそらく)今年最後のお買いもの。最後ということで、長時間本屋に滞在して、いろいろとパラパラした結果、何冊か購入。 まずは『現代思想2016年1月号 特集 ポスト現代思想』。 現代思想 2016年1月号 特集=ポスト現代思想 (青土社) 作者: 千葉雅也…

人文知・人文学(の危機)について

『週刊読書人』の2015年12月18日号と2016年1月1日号で、人文知・人文学(の危機)について言及されていたのでメモ。 まず、2015年12月18日号、宮台真司・苅部直・渡辺靖鼎談「政治・社会・人文科学を振り返る」からの抜粋。 宮台 …ハーバーマスが… 『人間の…

お買いもの『現代思想 パリ襲撃事件』外

今日は無事に年内に髪を切ることができた。そして、髪を切る前に少しだけ時間があったから本屋に立ち寄って雑誌類を購入。 まずは、『現代思想 2016年1月臨時増刊号 パリ襲撃事件』。 現代思想 2016年1月臨時増刊号 総特集◎パリ襲撃事件 -新しい<戦争>の行方…

夫婦別姓の婚姻届が出されたら

夫婦同姓の合憲判決があった今こそ読み返したい本の一冊が、松村亨『夫婦別姓の婚姻届が出されたら』だ。 夫婦別姓の婚姻届が出されたら (自治体職員のための政策法務入門 2 市民課の巻) 作者: 松村享,出石稔 出版社/メーカー: 第一法規株式会社 発売日: 200…

知は希望のなさに耐える勇気

『群像 2016.1』の特集「21世紀の暫定名著:一般読書篇」で、大澤真幸氏は次のように語っている。 あるインタビューでアガンベンが、知というのは希望のなさに耐える勇気なんだ、と語っています。僕らは論文を書く際、最後にちょっといいことを付け足したく…

お買いもの『ニュクス 2』外

今月は気になる雑誌が盛りだくさん。まずは、特集の「ドイツ観念論と理性の復権」目当ての『ニュクス 2』。 nyx(ニュクス) 第2号 作者: マルクス・ガブリエル,浅沼光樹,阿部ふく子,池松辰男,大河内泰樹,加藤紫苑,城戸淳,桑原俊介,下田和宣,多田圭介,中川明…

危機が危機としてあるところには、救いとなるものはすでにある

ハイデガーは、1949年ブレーメン連続講演「有るといえるものへの観入」でも、ヘルダーリンの「パトモス」を取り上げている。 ブレーメン講演とフライブルク講演 (ハイデッガー全集) 作者: ハイデッガー,Martin Heidegger,Hartmut Buchner,ハルトムートブフナ…

しかし、危険のあるところ、救うものもまた育つ

いつか真面目に読もうと思って購入しているハイデガーの著作をパラパラするときがある。今日は、崩れた本の山から出てきた『技術への問い』を手にした。 技術への問い (平凡社ライブラリー) 作者: マルティンハイデッガー,Martin Heidegger,関口浩 出版社/メ…

読書メモ:ヘーゲルとフッサール

村井則夫『解体と遡行-ハイデガーと形而上学の歴史』の「第五章 媒介の論理とその彼方-ハイデガーのヘーゲル『精神現象学』解釈をめぐって」を読み始めると、フッサール(が打ち建てた現象学)と、ヘーゲル(に代表される思弁的・形而上学的体系)との関係…

読書メモ:ヘーゲルとルーマンについて

ヘーゲル『精神現象学』を読んでいると、なぜかルーマンのことを考えてしまう。一方で、ルーマンは「とりわけカントに興味を持っていましたが、ヘーゲルとマルクスにはほとんど関心がありませんでしたね」とも語っている(『ルーマン、学問と自身を語る』141…

お買いもの『社会システムの生成』外

今日は梅田をブラブラ。発売当初より気になっていた、大澤真幸『社会システムの生成』と、昨年出版された本だが、村井則夫『解体と遡行-ハイデガーと形而上学の歴史』を購入。 社会システムの生成 作者: 大澤真幸 出版社/メーカー: 弘文堂 発売日: 2015/11/…

お買いもの(届きもの)『ゲンロン 1』

仕事から家に帰ると、楽しみにしていた『ゲンロン 1』が届いていた。 ゲンロン1 現代日本の批評 作者: 東浩紀,鈴木忠志,大澤聡,市川真人,福嶋亮大,佐々木敦,安藤礼二,黒瀬陽平,速水健朗,井出明,亀山郁夫,上田洋子,ボリス・グロイス,クレイグ・オーウェンス,…

お買いもの『哲学への権利 2』外

気が付けば12月だから、先月に購入した本になる。ジャック・デリダ『哲学への権利 2』、マルクス・ガブリエル/スラヴォイ・ジジェク『神話・狂気・哄笑-ドイツ観念論における主体性』、『思想 二〇一五年 第一二号』。 哲学への権利 作者: ジャック・デリ…

ヘーゲルとフッサールについてのメモ

『ハイデッガー全集 第32巻 ヘーゲル『精神現象学』』を読んでいると、ヘーゲルとフッサールの差異に関する言及があったのでメモ。 ヘーゲル『精神現象学』 (ハイデッガー全集 第32巻) 作者: マルティン・ハイデッガー,藤田正勝,アルフレド・グッツオーニ 出…

ヘーゲル研究会メモ

参加させていただいている、ヘーゲル『精神現象学』を読む研究会で議論になって気になったことをメモ。 ①aufhebenについて 『精神現象学 上』の51ページに、「廃棄〔止揚、以下頻出する廃棄の場合も同様〕」という記述があり、aufhebenの意味や解釈について…

明晰な思考に従事すること

フィヒテの『ドイツ国民に告ぐ』関連の話題をもう一つ。 フィヒテ全集 第17巻 ドイツ国民に告ぐ・政治論集 作者: ヨーハン・ゴトリーブ・フィヒテ,ラインハルト・ラウト,早瀬明 出版社/メーカー: 晢書房 発売日: 2014/11 メディア: 単行本 この商品を含むブ…

フィヒテから学ぶ学問に対する誠実さ

学者が、最近の政治状況を批判している様子を見て思い出すのが、フィヒテの『ドイツ国民に告ぐ』である。 フィヒテ全集 第17巻 ドイツ国民に告ぐ・政治論集 作者: ヨーハン・ゴトリーブ・フィヒテ,ラインハルト・ラウト,早瀬明 出版社/メーカー: 晢書房 発売…

『<日本哲学>入門講義』を読む

仲正昌樹『<日本哲学>入門講義-西田幾多郎と和辻哲郎』を読んだ。本書自体が分厚いし、西田幾多郎『善の研究』と、和辻哲郎『人間の学としての倫理学』を手元に読んだこともあって、少し時間がかかってしまった。 〈日本哲学〉入門講義 作者: 仲正昌樹 出…

お買いもの思案『ジェイムズの多元的宇宙論』

哲学書を読む講義を受講した記憶がないので、そのトレーニングの一環として、仲正昌樹『<日本哲学>入門講義-西田幾多郎と和辻哲郎』を読んでいる。 作品社から出版されている仲正昌樹氏の著作が面白いところは、読書案内の他にも、本文の中にさらっと研究…

「ヘーゲルの経験概念」を読む⑤

『精神現象学』の「緒論」第5段落は短い。でも、本段落には、「現象する知」「自然的意識の道」「魂」「経験」「精神」等の概念が出てくる非常に重要な段落。ハイデガーは次のように説明する。 現れ出る知を展示することとは、自然的な意識が学に至る道程の…

『正義について考えよう』を読む

猪瀬直樹・東浩紀『正義について考えよう』を読んだ。 正義について考えよう (扶桑社新書) 作者: 猪瀬直樹,東浩紀 出版社/メーカー: 扶桑社 発売日: 2015/11/01 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 安保法制や新国立競技場問題等の個別テーマについ…

哲学は無益だが統治する知

ハイデガー「ヘーゲルの経験概念」を読んでいて、「知」「学」「哲学」といったものについてあらためて考えるようになった。そんな時に、ふと『ハイデッガー全集第45巻 哲学の根本的問い-「論理学」精選「諸問題」』を手にした。 哲学の根本的問い 「論理学…

ハイデガー「ヘーゲルの経験概念」を読む④

最近はいろいろと忙しくて、ゆっくりと読書をする時間がなかった。特に、『精神現象学』「緒論」の四段落は重要な箇所でであるため、「ヘーゲルの経験概念」の当該箇所も、じっくりと読まなくては、と思っていたら、メモがすっかりと遅くなってしまった。 さ…

お買いもの『ティマイオス/クリティアス』

自分へのご褒美に何か本を買いたいなーと、ふらりと立ち寄った本屋でたまたま見つけた一冊。プラトン『ティマイオス/クリティアス』。 ティマイオス/クリティアス 作者: プラトン,岸見一郎 出版社/メーカー: 白澤社 発売日: 2015/10 メディア: 単行本 この…

ハイデガー「ヘーゲルの経験概念」を読む③

ハイデガーは、「絶対的なもののみが真である。真なるもののみが絶対的である」という命題は「基礎づけることが出来ない」と指摘する(157)。 それらの命題は基礎づけられ得ないものである。それらが定立しているのは、それ自身初めて根拠となるところのもの…

お買いもの『文学のミニマル・イメージ』

よくある今年の○○冊という記事を(そのうち)書くために、購入した書籍もアップすることにした。今回掲載するのは、一昨日、西宮ガーデンズのブックファーストで購入した書籍。 文学のミニマル・イメージ モーリス・ブランショ論 (流動する人文学) 作者: 郷…

ハイデガー「ヘーゲルの経験概念」を読む②

今回は、ヘーゲル『精神現象学』「緒論」の第二段落を解説した箇所のメモ。第二段落は短く、理解していたつもりだったけど、「ヘーゲルの経験概念」の当該部分の解説は難しい。でも、ハイデガーが扱っているテーマ自体はとても興味深いので、読み進めていく…

ハイデガー「ヘーゲルの経験概念」を読む①

ある研究会でヘーゲル『精神現象学』を読むことになったので、最近ヘーゲル関連の著作を読むようにしている。そして、「緒論(Einleitung)」を読み終えたところで、平凡社ライブラリー版『精神現象学』の「緒論」の本文(112-113)や末尾(119)で紹介されて…