yamachanのメモ

日々の雑感や文献のメモ等

ハイエク「知識人と社会主義」

ハイエクが語る「思想の力」は、これからの「リベラル」を考える上でも重要だと思うのでメモ。 実際、目下のところ、自由社会のさらなる発展のための哲学的基礎付けという不可欠な作業ほど報われないものは他にないだろう。この作業にとりくむ者は、既成秩序…

西部邁が語るジャック・デリダの脱構築

西部邁の本は数冊読んだことがあり、今いろいろと読み返しているところ。『虚無の構造』では、ガタリの欲望機械やデリダの脱構築についても言及している。今回は、デリダの脱構築について語っているところをメモ。 ここで、ジャック・デリダのいう「ディコン…

ハイエクの知的エリート主義について

ハイエクを読んでいく中で、やはり伝記のようなものを読みたいと思い、ラニー・エーベンシュタイン『フリードリヒ・ハイエク』を読んでいる。以下、ハイエクの知的エリート主義についての記述をメモ。 『通貨国家主義と国際的安定性』の中で、ハイエクは純粋…

ケルゼン「現代民主制論批判」(『ハンス・ケルゼン著作集Ⅰ』所収)

ケルゼンによるハイエク批判のメモ。 徹底的に分権的で、殺人と近親相姦の禁止のような最低限の規制のみをもつ原始的な社会秩序とて、集権化のある段階である。それに比べれば、近代国家はかなりの範囲の規制対象をもち、はるかに集権度が高いが、全体主義と…

ミシェル・フーコー『生政治の誕生』

フーコーは『生政治の誕生』の中で、ハイエクのことを「現代の自由主義の定義づけにとって非常に大きな重要性を持っていました」(129)と取り上げ、ハイエクについて何度か言及している。気になったところをメモ。 経済は一つのゲームであり、経済に枠組を与…

『ハイエク、ハイエクを語る』読書メモ

『ハイエク、ハイエクを語る』の中で、ハイエクがシュンペーターの理論とハイエク自身の理論との関係について語っている箇所が興味深いのでメモ。 予言の性格がどこか似ています。しかしシュンペーターはパラドクスを心から楽しんでいるのです。彼は、資本主…

今井照『地方自治講義』

地方自治の基礎概念や歴史・現状について、本書ほどわかりやすく、丁寧に論じた新書はめったにないだろう。本書を読むことで、地域社会や自治体を考える基本的枠組みを獲得することができる。 「自治体を私たちが使えるものにしたい」(278)ー帯にも書いてい…

2017年人文書(?)メモ

2018年1月5日のゲンロンカフェ、斎藤哲也 × 山本貴光 × 吉川浩満 「「人文的、あまりに人文的」な、2017年人文書めった斬り!」は面白く、それぞれの選書リストも大変参考になった。この放送に便乗して、(おそらく)リストに入っていないオススメ人文書をメ…

今年の5冊+α

2016年も終わろうとしている(けど仕事は終わらない…)。今年も多くの分野の本から多くのことを学んだ。そのなかでも特に印象に残っている5冊(順不同)。 ①齋藤元紀・澤田直・渡名喜庸哲・西山雄二編『終わりなきデリダ』 年末に出版されたデリダ本。デリダ…

抵抗の精神について

小泉信三『平生の心がけ』を読んでいて、興味深い箇所を発見。 平生の心がけ (講談社学術文庫) 作者: 小泉信三 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 1988/11/07 メディア: 文庫 クリック: 6回 この商品を含むブログ (7件) を見る 本当にその通りと思うところな…

10月と言えば…予算編成

10月になれば、おそらくそのうち予算編成方針の通知ががあって、予算要求作業が本格化する。それに向けて、昨年の予算要求時期には出版されていなかった、吉田博・小島卓弥『予算要求の実務-実践から新たな仕組みづくりまで』を読んだ。 自治体 予算要求の…

再帰化する社会でデモクラシーを擁護すること

宇野重規・田村哲樹・山崎望『デモクラシーの擁護-再帰化する現代社会で』の「共同綱領-デモクラシーの擁護に向けて」を読んだ。 デモクラシーの擁護 ―再帰化する現代社会で― 作者: 宇野重規,田村哲樹,山崎望 出版社/メーカー: ナカニシヤ出版 発売日: 201…

民主主義と偶有性

大澤真幸『現実の向こう』の第1章の中にある「民主主義はどういう政治制度か」の箇所をメモ。 大澤は民主主義の特徴を「どのような敵対関係をも-変形させた上で-受け容れるところ」にあると指摘し、その例としてエルネスト・ラクラウとシャンタル・ムフの…

脱構築と政治的実践、そして否定神学的共同体

東浩紀『存在論的、郵便的』を再読したところ、今の自分にとって大変興味深い箇所があったのでメモ。 存在論的、郵便的―ジャック・デリダについて 作者: 東浩紀 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1998/10 メディア: 単行本 購入: 17人 クリック: 173回 この…

湯浅誠「社会運動の立ち位置」を読む

久しぶりに、湯浅誠「社会運動の立ち位置-議会制民主主義の危機において」(『世界2012.3月号』所収』を読んだ。本論文は、社会運動論としてだけではなく、「政治」そのものを考える上でも非常に重要。今回再読して注目したのが「固定化」「瞬間」という概…

丸山眞男「政治嫌悪・無関心と独裁政治」を読む

昨日に引き続き、丸山眞男を読む。今日は「政治嫌悪・無関心と独裁政治」。 第一巻 1933―1949 (丸山眞男集 別集) 作者: 東京女子大学丸山眞男文庫 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2014/12/26 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (3件) を見る 本論考…

丸山眞男「民主主義政治と制度」を読む

民主主義について整理するために、丸山眞男「民主主義政治と制度」(『丸山眞男集別集第一巻』所収)を読んだ。 第一巻 1933―1949 (丸山眞男集 別集) 作者: 東京女子大学丸山眞男文庫 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2014/12/26 メディア: 単行本 この商…

張一兵『レーニンへ帰れ』をとりあえず買ってみた

ほとんど読めていないヘーゲル『論理の学』を読み解くためにも、「特集 ヘーゲル大論理学(概念論刊行200年)」目当てで『情況2016年6=7月号』を購入したところ、「張一兵『レーニンへ帰れ』(書評特集:第1弾)」という特集を発見。寄川条路「レーニンを脱…

お買いもの『民主主義を直感するために』外

4月末の出版ラッシュ。 まずは、國分功一郎『民主主義を直感するために』。 民主主義を直感するために (犀の教室) 作者: 國分功一郎 出版社/メーカー: 晶文社 発売日: 2016/04/28 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る 佐藤優氏が絶…

お買いもの『日本の動物政策』外

しばらくブログから遠ざかっていた。そしてたまっていたお買いものメモ。 まずは、打越綾子『日本の動物政策』。 日本の動物政策 作者: 打越綾子 出版社/メーカー: ナカニシヤ出版 発売日: 2016/04/15 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る …

お買いもの『もっとも崇高なヒステリー者』外

久しぶりに大物を購入。スラヴォイ・ジジェク『もっとも崇高なヒステリー者-ラカンと読むヘーゲル』。 もっとも崇高なヒステリー者 ――ラカンと読むヘーゲル 作者: スラヴォイ・ジジェク,鈴木國文,古橋忠晃,菅原誠一 出版社/メーカー: みすず書房 発売日: 20…

お買いもの『底無き意志の系譜』外

購入していた本のメモ。 板橋勇仁『底無き意志の系譜-ショーペンハウアーと意志の否定の思想』。 底無き意志の系譜: ショーペンハウアーと意志の否定の思想 作者: 板橋勇仁 出版社/メーカー: 法政大学出版局 発売日: 2016/02/29 メディア: 単行本 この商品…

お買いもの『脱原発の哲学』外

興味深い本がたくさん出版されていて、その中から選ぶのが大変。 まずは、佐藤嘉幸/田口卓臣『脱原発の哲学』。 脱原発の哲学 作者: 佐藤嘉幸,田口卓臣 出版社/メーカー: 人文書院 発売日: 2016/02/25 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 僕は、脱…

「果たし得ていない約束」に対する責任

三島由紀夫『文化防衛論』を読んだ。 文化防衛論 (ちくま文庫) 作者: 三島由紀夫 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2006/11 メディア: 文庫 購入: 3人 クリック: 15回 この商品を含むブログ (31件) を見る 本書には、「果たし得ていない約束-私の中の二十…

お買いもの『リアル・デモクラシー』外

最近はバタバタしていて、色々とさぼり気味。そして、疲れてくると考えなくてよい不安や悩みが襲ってくる。いや、疲れに甘えるからこそ、そういうものに囚われてしまうのかも…。 とりあえず、購入していた本をメモ。 まずは、宮本太郎・山口二郎編『リアル・…

お買いもの『推論主義序説』外

本屋に行くと、「よみがえるヘーゲル!」という文字が飛び込んできた。それは、ロバート・ブランダム『推論主義序説』。 推論主義序説 (現代哲学への招待 Great Works) 作者: ロバート・ブランダム,丹治信春,斎藤浩文 出版社/メーカー: 春秋社 発売日: 2016/…

ヘーゲルの「孔」について

ヘーゲル『精神現象学』で「有孔態」という概念が出てきた(平凡社ライブラリー版165)。樫山欽四郎訳では、「素材のどれにもこれにも孔があって相互に浸透しうること。『論理学』の一の一二一」(同)という訳者による補足もある。この概念は、ヘーゲル独自…

お買いもの『有限性の後で』外

前に買っておいた本をメモ。まずは、カンタン・メイヤスー『有限性の後で-偶然性の必然性についての試論』。 有限性の後で: 偶然性の必然性についての試論 作者: カンタンメイヤスー,Quentin Meillassoux,千葉雅也,大橋完太郎,星野太 出版社/メーカー: 人文…

政治学者という存在について

僕は、学部生の時は社会学専攻だったけど、政治学の講義も結構受講したし、政治学関連の本も大量に購入し、大量に読んでいる。それくらい政治学という学問が好きだ。 だからこそ、権丈善一氏が『年金、民主主義、経済学-再分配政策の政治経済学Ⅶ』で次のよ…

読書会メモとお買いもの

今日は、牧野雅彦『精読アレント『全体主義の起源』』の読書会に参加。 精読 アレント『全体主義の起源』 (講談社選書メチエ) 作者: 牧野雅彦 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2015/08/11 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (3件) を…